クリスタルのかけらに眠る勇者の心

θは遊んでくれたよ

　シリーズになっている一連の作品の中に、それぞれ独立した作品なので、
単独で読んでもらっても大丈夫、などと表記してあるものがある。
このシリーズ（Ｇシリーズと名付けられている）は、この作戦は有効でなく、少々無理がある。
Ｓ＆Ｍシリーズ、Ｖシリーズと読み進んできた読者であれば、
西之園、犀川、保呂草、そして四季、などという名前が出てくるだけで楽しめるが、
森ミステリは本書が初めて、といった読者にはつらい作品。
単独で読んだら、大した謎でもなく、トリックもなく、
はっきり言って２時間ドラマ的な「あっ」という程度の感想。
かなり重要であろうキャラクターの海月君が、どれかのシリーズのキャラクターと
血縁関係であった、なんていう二番煎じが隠されていたりと勘ぐったりして、
むしろ本筋に関係のない方に興味が向いてしまう。
シリーズとして読むなら、よいが、単独では×。
θは遊んでくれたよ